のりさんの研究室

上越教育大学 榊原範久のブログです。

社会科教育のトレンド

第68回日本社会科教育学会へ参加して、感じた社会科教育のトレンドについて感じた個人的なメモです。

2日間の発表題目や発表内容中の中で、キーワードとして自分がメモしたものの一覧です。複数回登場したもの、または一部の研究でのみで中心的に扱われたキーワードをピックアップしてみました。
社会科教育の研究の動向やトレンドが見えてきます。

・社会認識形成
・社会的な見方・考え方
・問題解決学習
・市民的資質育成、シチズンシップ
・主権者教育
平和教育
原発問題
・防災・減災教育
・拡張による学習
・持続可能な社会、ESD、SDGs
・政治的リテラシー
グローバル化
・価値判断力
・意思決定力
・社会科における文明
・公民的資質
・パフォーマンス評価
・振り返り場面(記述)
・社会参画
・教科横断
・形成的アセスメント

僕の興味でふるいをかけているところがありますので、もちろんこれが全部ではありません。詳細は下の学会の全国大会要項を参照のこと。

これからの予測不能な未来、変化の激しい未来においては、従来通りの社会科は確実に通用しません。具体的には知識の習得を中心とし、正確な知識の再生を評価の中心に置くような授業のことを指します。それを継続した場合、教科の一つとして生存することすら難しくなるでしょう。

ググる」という言葉に象徴されるように、知識はすぐそばにあると考えられるようになりました。しかし、知識はすぐに手に入っても、その知識を得るだけでは対応できない「答えのない問い」は無数に世の中に散見しています。地球規模でも、日本規模でも、個人規模でも…。

そんな中で社会科教育が価値のある学習として存在感を持ち続けていくには、やはり汎用的能力の育成を中心とした上のキーワードにあげた内容を網羅していくことが現段階では必要なのでしょう。

そう言いながらも5年後には違うキーワードに半分程度更新される恐れさえある変化の激しい昨今だなあとも考えています。

http://socialstudies.jp/pdf/jass68_2.pdf