のりさんの研究室

上越教育大学 榊原範久のブログです。

「教育reformセッション"Engine"」で学んだこと・考えたこと

 3月3日(土)に名古屋で開催された「教育reformセッション"Engine"」に参加した。

https://engine.asknet.org

 主催者のNPOアスクネットさんは学校と地域をつなぐ専門家として活躍されるキャリア教育コーディネーターの資格を持つ方々が運営されています。

 地域で活躍する市民の方を学校にお連れし授業をおこなっていただいたり、年間を通じたキャリア教育の効果的なプログラムを計画したり、インターンシップのプログラムを設計するなど、学校と社会とをつなぐ教育のサポートをおこなっている組織です。(HPよりhttps://asknet.org

 

 私はキャリア教育の専門家ではありません。指導要領に書いてある程度のレベルのキャリア教育に関する知識しかありません。

  キャリア教育を語る上で、「進路指導」や「職業指導」のカテゴリーと同義かと誤解されている人がいることに気づきます。キャリア教育はもっと多様で、「生き方教育」の中の「キャリア教育」で、「進路指導」がその中にあり、さらにその中に「職業指導」というカテゴリーがあるイメージを自分的にはもっています。

 

  そんな私ですが、今回のお誘いをいただいたのは、「中学校で実践されていた『学び合い』の授業の実践を話してほしい」という理由からでした。アスクネット さんのこの感覚がいいなと思いました。「キャリア教育とは、どのようなご関係が…」と内心思いましたが、いろいろな角度から子どもたちの教育の未来を話し合いたいという趣旨を説明していただいたので、お引き受けした経緯があります。

 

 担当した講座に参加された方は、高校の先生、中学校の先生、小学校の先生、大学生、高校生、その他業種の人etc、多様でした。講座は盛り上がったというか、悩ませたというか、もやもやさせたというか。そんな感覚を壇上で受けました。参加されていた方は、『学び合い』の授業を支える理論の話をすると「へえ」と興味深く聞いてくれるのですが、実際の授業の話をすると「そんなのでうまくいくの」という表情をされます。ぜひ、『学び合い』の授業も、参観されることをお勧めしたいです。

 

 さて。そうは言っても、『学び合い』が全てではなく、いろいろな授業があっていいと思います。むしろそれの方が多様で、自然でいいと思います。大切なことは「子どもの未来を想像して教育を創っていく」ことではないでしょうか。

 

 私たちが成功してきたアプローチは、子どもたちの未来の成功へのアプローチには繋がらないことは多分にあるでしょう。

 

 変化の激しいこの時代に未来の在り方を予測することは容易ではありませんが、それでも子ども達が未来で幸せに生きることができる資質・能力をイメージして授業デザインすることは重要です。

 例えば、コミュニケーション能力や協働力が必要性が今後高まると想像します。それならば、コミュニケーション能力を高める授業方略は?協働力を高める課題のあり方は?と考えて、具体的な手立てや授業デザインを理論ベースで学び、実践の場で実現していくことが重要ではないでしょうか。

 教育に携わる私たちは「子どもの未来を想像して教育を創っていく」ことが今後ますます重要になるのだと。

 

● もし我々が、今日の子どもたちを、昨日までの子どもたちと同じように教えているなら、それは彼らの未来を奪うことになるだろう。 ージョン・デューイ(John Dewey)

 私が心に留めている言葉です。