「科研費の申請はもはや大学教員にとって大切な仕事の一つです。」
以前、科研費に関連した話の中でそういう発言を耳にしました。
研究費は支給されるものではなく、獲得しにいくものなのですね。
今年から大学に着任した新参者としては、かつての状況を知らないから、そう言われればそうなんだと納得します。
でも、昔を知る先生たちは、口々に研究費は多くて自由に研究できたよと言う。
もちろん、その頃も科研費などの競争的資金への応募は行っていたと聞きます。
今は切実感・切迫感のある科研費申請に時代とともに変化してきたのかもしれません。
しかし、今は研究費を自分で獲得しなければ、自分が思い描く研究は満足にはできない状況なんですね。
そうであるならば、やはり「大切な仕事の一つです」という割り切った考えに賛成します。そう考えて集中して取り組んだほうが楽です。
さて、肝心な科研費の申請書。
申請書を書くことがこれほどまでに大変だとは思いませんでした。
なぜ大変かというと、そもそも業績がない。
これが大きな足かせになります。
筆が進まない。
研究計画を申請書の中で伝えようとしても、なんか絵空事のようになってしまいうまく伝わらない。
実現可能性というか、研究遂行能力の証明がロジックを組んでできないんです。
限られた紙面の中で、自分の研究者としての能力を示すにはやはり業績は大切なんだと痛感しました。
この論文とこの論文があって、ここまで証明してきたから、この次を取り組むために研究費を支給して欲しいんですよね。
と力と実績のある研究者たちは描くんだろうなあ、と思います。
今回はいい勉強になりました。
まだ提出したばかりなのに、珍しくネガティブな自分。