学校支援プロジェクトがいよいよ終わりに近づいてきました。
学校支援プロジェクトとは,上越教育大学の教職大学院が行っている学校実習の名称です。
院生たちは後期の150時間を連携協力校で実践を行います。
榊原研究室で、院生たちに与えているミッションは、
「学校課題の解決の過程を通じて,教員として必要な資質・能力を身につけ,授業実践の中で個人研究を行う。」
ことです。
今日は「遠隔協調学習」を個人研究のテーマにしているM2のゼミ生が授業実践を行いました。
さて、「遠隔学習」を体験したことがありますか。
遠隔学習は教員の立場からしても、子どもの立場からしてもハードルは高いです。
文科省は遠隔学習を推奨していますが、学校現場でどんどん拡がっているかというと、そうではありません。
それはなぜでしょう。
私は実践経験者と研究者の両方の立場から、テレビ会議システムのみを使用した遠隔には限界があると思っています。
過去のテレビ会議システムのみを使用した失敗実践を挙げると
・代表者が前に出てきて発表
↓
・少しの沈黙の後、相手校の代表者が質問
↓
・また少しの沈黙の後、こちら側で誰が発表するかコソコソなすり付け合い
↓
・ようやく決まり、起立して小さめの声の返答
↓
・そして、理解されていないであろう相手校からとりあえずの『ありがとうございました』」
このような具合です。想像できますよね。
「ぎこちないキャッチボール」のような遠隔を解消するため、今回は、一人一台のタブレット端末を同期型のシステムで繋いで、遠隔協調学習を行いました。
2校の児童のタブレット画面は常に同期されています。
5年生算数の面積の単元での実践です。
2校の児童はタブレット上に四角形の面積を様々な解法で求積していきます。そして、友達の解法を相互に参照し、より優れた解法を学んでいきます。途中わからないことがあれば、テレビ会議システムを介して、相互に質問し合っていました。
今回で3回目の遠隔というのもあり、だいぶ心の壁がなくなって、まるで一つの教室で学んでいるようでした。
相手校は、ひとクラス4名の小規模校です。
幼少の頃から固定されたメンバーでずっと学習してきたという話を聞きました。
今日の遠隔協調学習では、学校の枠を超えて、学び合う姿がありました。
今日の授業者はゼミのM2院生です。これで遠隔授業実践は5回目です。
GIGAスクール構想の時代ですから、こんな実践経験をして、現場に出ていくっていうのもいいなと思いながら、後ろから微笑ましく参観していました。